「白い巨塔」再放送できなかった理由と現代医療のコンプライアンス問題

ヒューマンドラマ

「白い巨塔」は山崎豊子の原作で有名な作品ですが、1978年に田宮二郎が財前五郎役でドラマで放映されてから、何回もリメイクされています。

一番人気だったのが、2003年に放送された唐沢寿明が財前五郎役のドラマだったのではないでしょうか。

また最近では、岡田准一の財前五郎も5話だけでしたが、放送されたことも記憶に新しいと思います。

しかしこのドラマは、いろんな事情により、放送が延期されたり、再放送ができなかったりしていました。

今回はその「白い巨塔」を紹介していきます。

長い間再放送ができなかった理由

田宮二郎ですが、この人はまだテレビで「白い巨塔」のドラマ放送中に、猟銃自殺しています。

原因は多額の負債や事業の失敗など複数の要因があるようです。

クイズの司会もしていて人気絶頂の時でしたので、大変な騒ぎになっていました。

2003年放送の唐沢寿明の時は、患者の佐々木庸平役の息子役の中村俊太が大麻所持の容疑で捕まり、そのせいで長い間、再放送は見送られました。

また2019年放送の岡田准一の時は、ホステスで財前の愛人役の沢尻エリカが薬物使用で、これもしばらく再放送が延期になりました。

しかしここ数年で、漸くNetflixなどで両方とも放送されるようになりました。

ファンの人はとても待ち望んでいたんじゃないかと思います。

医療コンプライアンスの問題

今回は、唐沢寿明が主演した白い巨塔をご紹介していますが、特にこのドラマでは医師としての倫理観の問題で、放送にふさわしいか問われていたと思われます。

今でこそ診療の場では、インフォームドコンセント(説明と同意)という概念が定着してきていますが、2003年当時では、その言葉はあったものの、まだまだ医師の立場が強く、患者は逆らえない風潮があったと思われます。

象徴的シーンは、唐沢寿明が演じる財前が、教授になった後の回診場面では、若い医師を引き連れて、まるで大名行列のように廊下を歩き、財前が患者の部屋に入ると、患者は財前の前で、ベッドの上で正座をしたり、腫れ物に触るような態度を取ったりして、近寄りがたい雰囲気を醸し出していました。

また患者の佐々木庸平は、肺がんが見つかったのですが、佐々木側が手術以外での治療を訪ねますが、財前は手術以外に選択肢はないと患者に迫り、強引に手術に同意させます。

今現在このドラマを放映しますと、倫理的にクレーム問題につながることを懸念して、民放では再放送はしないのかなと思います。

この「白い巨塔」を選んだ理由は、唐沢寿明の演じる財前五郎の死ぬ時が、一番感情を揺さぶられたからです。

教授選偏と裁判偏 東の財前への対応の違和感

白い巨塔は大きく、教授選偏と裁判偏の二つに分かれていますが、東の教授選偏での財前への仕打ちと裁判偏の財前への想いに対して非常に違和感がありましたので紹介します。

激闘の教授選編

浪速大学第一外科の助教授 財前五郎(唐沢寿明)は教授になる野望をもっています。

財前は現役の大阪市長の手術で見事成功し、記者会見で注目を浴び、雑誌でも写真の中央に大々的に乗るなど、目立っていました。

そんな財前を、第一外科の東貞蔵教授(石坂浩二)はおもしろくありません。

この時の東教授は自分よりも目立つ財前に対して異様なまでの嫉妬心をもっています。

そのため、教授候補を助教授の財前ではなく、石川大学の菊川教授を推薦しました。

これは、菊川の実績をかっているわけではなく、ただ単に財前が嫌いで教授にしたくないという理由からです。

本当に子供のような理由ですよね。

こんな心の狭い人が良く教授になれたものだと思っていました。

さらに選挙管理委員長には財前の人間性を問題視している大河内清作(品川徹)が選ばれ、財前五郎に大きな逆風が吹きます。

かくして第一外科の候補は、東の押す菊川と、鵜飼の押す財前、そしてなんと他教授からも他大学から推薦し、結局3人で教授戦を戦うことになります。

第1回めの教授選では、菊川と財前が生き残り、第2回では財前がわずかな差で勝利し教授の座を射止めます。

負けた東は急に財前に和解しようとしましたが、財前は全くの拒否反応を示しましたがそれはあたりまえだと思います。

そもそも東以上に評価されオペの腕もいい財前にたいして、面白くないという理由で他大学から教授候補を推薦し、自分から財前を切り捨てようとしたのに、負けて急に寄り添おうとされても裏があると思うのが普通ですよね。

あれだけ卑屈だった東が、急にいい人になってしまうので、とても違和感を感じました。

熾烈な裁判闘争編

ここでは財前の医療ミスに対する裁判において、東と激突します。

教授になった財前は周りの懸念が的中し、ますます権力を振りかざすようになっていきます。

診断に絶対の自信を持っている財前は、医局員の疑念にも耳を傾けません。

財前ほどではないにしろ医者はプライドが高い人が多いのは事実です。

学生から受験戦争に打ち勝ち、また更に教授ともなれば、怖いものはないと思ってしまうのでしょうかね。

胃がんの手術を佐々木庸平に、東教授の退官日にわざわざ当てるために、十分な説明もせず急いで手術をしてしまいました。

やることが東も東ですが、財前も財前ですね、実に大人げないです。

自分たちの都合で振り回されるのも、家族はたまらないものです。

佐々木庸平の手術は無事成功したかに見えましたが、容体が急変し、財前が公開オペを海外で実施仕手いるさなかに死んでしまいました。

佐々木の妻と長男は、病院に対して、夫の死亡後の対応に不信感を持ち、財前の診断ミスと不適切な対応に対して、裁判を起こします。

一回目の裁判では、財前が勝ちましたが2回目の裁判では原告側に東が登場してきます。

いきずまった関口弁護士は、里見の紹介で、肺がんの専門医として元教授の東を訪ねていきますが、なんと東は財前は立派な外科医だと言い、原告の要望を退けます。

東は教授選では財前の人間性をあれだけ否定して引きずり下ろそうとしたのに、今になってそんな擁護するような言葉が出たことには、びっくりしてしましまいました。

東は財前に会い、被害者に謝罪するように求めましたが、財前から何かたくらんでいると思われ一蹴します。

そりゃそうだろと普通に思いますが、東はこれにより急に「財前を教授にさせていてはいけない」と考えを変えてしまいます。

というか最初から財前のことはよく思っていないはずだったのに、いまになって急に方向転換をするような発言にはびっくりしました。

しかし東は法廷で、財前の診断における怠慢の証言と、佐々木の妻と長男に、元教え子の財前の行った行為に対し、謝罪と近畿労災病院での院長の座を辞することを宣言します。

手術の怠慢に対して責任をとろうとしない財前に代わって、遺族に自らの教え子がしてしまった過ちに謝罪して、院長の座まで放棄した東に対しては、少し感動して涙ぐみましたが、それでもまだこれは財前を負けさせるための演技なのかなとも勘ぐってしましました。

教授選では財前を引きずり落とすために、選挙日に自ら辞退するという演技までしましたから。

結局最後は、ナースの亀山君子(西田尚美)の看護ノートの記録が証拠となり、財前は敗訴しました。

そして財前はその場で倒れて救急搬送されますが、結果は肺がんでした。

がん告知された財前は、犬猿の仲だったなんと東教授にオペを頼みます。

しかし財前がそう思うことは理解できます。

なぜなら、財前自身が客観的に実力があるかどうかで判断する合理的なタイプだからです。

そこでは自分か好きか嫌いかで判断する東とは大きく異なります。

財前は純粋に東の肺がん手術のオペ技量を評価していたということがにじみ出ていました。

結局東がオペを行いましたが、胸を開いたところ、結果的に手遅れで切除できませんでした。

私としては、あれだけどろどろの教授選を展開していたので、東には財前の手術はしないときっぱりと、最後まで見えを切ってほしかったですね。

あそこまで争っていたならば最後まで貫いてほしかったです。

里見の診断で癌の切除ができていなかったことを知り、財前と里見は涙しますが、その後大学に戻った財前は容体が急変し、里見の手を握って「二人で世界一の病院にしよう」と言い残し、涙を流しながらこの世を去りました。

最初はあれだけ自分勝手で、自分の欲望のために手段を択ばない財前にたいして嫌悪感がありましたが、最後亡くなるシーンはぐっときてしまいました。

そういう人は多かったのではないでしょうか。

財前は当初、教授なるためならば手段を択ばないいけ好かない奴だと思いましたが、最後裁判に敗れて、病気になった財前は、なぜか可哀そうな気持ちになってしまいました。

それは他の白い巨塔と違って、唐沢寿明が演じた白い巨塔の財前は、最後は純粋に医療の発展を願っていて、最高の病院を造るという願いを叶えられなかった無念さがにじみ出ていたからではないかなと思いました。

まとめ

以上が話の流れになりますが、あれだけヒールだった財前が、最後には視聴者の多くが涙したのではないかと思います。

他の白い巨塔シリーズではそんな感情はありませんでした。

そこは唐沢寿明の演技のセンスだったのかなと思います。

今現在の医療業界では、コンプライアンスを厳しく取り入れていますので、ここまで横柄な態度をとる医師も少なくなってきたと思います。

「白い巨塔」をまだ見たことがない人は、山崎豊子の最高傑作の一つだと思いますので、一度は見ることをお勧めします。

今日はここまでです。ではまた・・

訂正とお詫び

この度、大麻所持の記事に関して、佐々木庸平の息子役の中村俊太と書かなければいけないところを佐々木庸平役の田山涼成と書いてしまいました。

謹んで訂正いたします。

田山涼成様、また関係者の皆様、更に視聴者の皆様大変申し訳ありませんでした。

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コメント

  1. tuni より:

    大麻で逮捕されたのは田山涼成さんではありません
    田山さんの息子役をした中村俊太さんです
    少し調べれば簡単に分かることです

  2. ミッチー より:

    田山涼成さんに失礼ですよ!
    早く訂正と謝罪を掲載してください。

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