52ヘルツのクジラたちと聞いていったいどんな映画なんだろうと思いませんか?
今回はこの52ヘルツのクジラたちという題名の意味と、アンが自殺に追い詰めたものにつて考察したいと思います。
「52ヘルツのクジラたち」という題名の意味
クジラはいろいんな周波数でコミュニケーションを取るようなんですが、52ヘルツというのはクジラにとって、とても高い周波数のようです。
しかしこのヘルツはクジラにっては聞き取れない周波数のようで、つまり周りの仲間にどれだけ呼びかけても応えてくれないという、孤独をイメージした題名になっています。
そしてここで登場するキャラクターの多くは、叫んでも誰にも届かないような苦しみを、それぞれ抱えております。
例えば三島貴瑚(杉咲花)は、幼いときから過酷な家庭環境でした。
また大人になっても、父親の介護や母親とのいざこざで疲れ果て、自ら車道へ飛び出し自殺未遂してしまいます。
母親から虐待を受けてしまうと、精神に与える影響はとても大きいと思われます。
現に貴瑚は介護している父親が、食事を喉に詰まらせましたが、母親からは「わざと殺そうとしただろ!」「あんたが死ねが良かったのに!」と罵声を浴びせられます。
私は通常の精神状態でしたら否定できる言葉でも、精神的に追い詰められていると正常な判断ができないと思っています。
そして小さいころから過酷な家庭環境で育った貴瑚は、母親に逆らうことができず、誰にも話ができない貴瑚は逃げ場を失い、思わず車道に出てしまったということだと思われます。
この当時の貴瑚は周りへ自分の声を届かせることができないばかりか、自分の心にさえ届かせることができなかったんでしょう。
貴瑚も、もしそのまま生活していたら、いつかは死んでしまっていたかもしれません。
そんな貴瑚を救ったのが、岡田安吾(志尊淳)でした。
彼はたまたま車道に飛び込んだ貴瑚を見かかて、彼女を間一髪救いました。
それから貴瑚と安吾(アン)そして共通の友人の牧岡美晴(小野花梨)の3人でつるむようになりました。
アンが自殺した経緯
アン(安吾)は貴瑚に対して大きな隠し事をしていまいた。
それは彼はもともと女性でありましたが、心は男性であり、男性用ホルモンを注射して男になっていたのでした。
アンは小さいころからそのことで悩み、腕には無数のリストカットの跡があります。
まさにアンこそが52ヘルツのクジラの当事者であり、その音を貴瑚に紹介したのも彼でした。
私は貴瑚はアンにとって、確かに恋愛という感情もあったと思いますが、それ以上に自分と同じように、叫んでも仲間に声が届かない52ヘルツのクジラを、貴瑚の中に感じ取ったのではないかと思います。
このころはまだアンを男と思っていた貴瑚は、アンへ恋愛感情を抱きますが、一定以上に心の距離間を保っているアンに対しジレンマを抱えます。
アンは貴瑚に本当の自分の正体がばれることへの恐怖心から、どうしても近づけないという心の葛藤があるからでした。
しかし、アンの貴瑚への想いは本物であり、本気で幸せになってほしいと願っていたのは間違いありません。
そんな関係にも転機が訪れます。
それは貴瑚が働いている工場の社長の息子専務、新名主税(宮沢氷魚)と付き合うことになったことが発端でした。
主税と貴瑚は順調に交際していましたが、食事会で主税とアンが出会ったとき、アンが貴瑚への恋愛感情があることを察した主税はアンへ嫉妬心から意地悪なことを言います。
私の推測ですが、ここでの主税はかなり嫉妬心が強い男だとアンは感じていて、この人と一緒になると貴瑚が不幸になるととっさに察したのかもしれません。
あくる日、アンは貴瑚に「あの男は別れた方がいい」「彼は貴瑚を不幸にする」「僕は貴瑚に幸せになってほしいから」と訴えかけます。
しかし貴瑚は「私は幸せよ」と主税のことを悪く言うアンに対して初めて嫌悪感を持ちました。
その後、貴瑚は主税から他の女性と婚約したことを聞かされます。
それは主税の父親である社長の一番の取引先のお嬢様でした。
主税は貴瑚に、「自分の本意ではない、たとえ結婚しても貴瑚を一生守っていく」という理不尽な言葉に戸惑いながらも受け入れようとしました。
そんな時に、アンはびっくりする行動を起こしてしまいます。
それは、会社の社長や婚約者宅に、主税と貴瑚の関係を暴露した手紙を送ったことでした。
これにより婚約は一気に破断、そして一番の得意先を失った社長は激怒し、息子である主税をクビにしたのでした。
その後すべてを失った主税は態度が激変し、貴瑚に対し殴る蹴るの暴行をするようになりました。
私はアンは最初から、主税が嫉妬心が強くDV傾向があるのを見抜いてたと思っています。
そして私は、貴瑚をいきなり愛人にするような主税に対して、黙っていられなくてこのような暴挙をおこしたと思います。
なにしろ、アンは貴瑚に誰よりも幸せになってほしいと思ってたからです。
しかし、すべてを失った主税もアンに対して復讐を企てます。
主税はアンのことを調べ上げ、もともと女性だったことを突き止めます。
そしてアンの母親を長崎から呼び出し、アンによって人生の全てを壊された謝罪と現在は男性になったことを母親にばらしました。
アンはショックのあまり、その場で大声で泣き崩れてしまいます。
私はアンはこの時に自分の人生が終わったということを自覚したではないかと思っています。
そのことを主税から聞いた貴瑚は、アンのことが心配で自宅まで行くと、アンの風呂場で自死した姿がありました。
アンを死に追いやった理由を考察
アンはこれまで何度も辛い目に会うたびに、リストカットを繰り返していました。
しかしだいたいの辛いことはそれで乗り越えてきたと推測しています。
今回はそれでは乗り越えられない出来事に出合ったということになります。
それは本気で幸せになってほしいと思っていた貴瑚に、主税によって貴瑚に本当のことをばらされるということへの恐怖と、迷惑をかけたくない母親にトランスジェンダーだとばれてしまったことへのショックと申し訳なさが一遍に押し寄せてきて、アンの心のリミットを超えてしまったということだと思います。
私はアンがこのような暴挙にでたのも、主税に対してはどんなに殴られようと怪我をさせられることを覚悟していたと思います。
それは実際に主税の人生をめちゃめちゃにしてでも、貴瑚のことを守りたかったからだと思っています。
当然それなりの報復は覚悟していたと思われますが、まさか自分の素性まで調べていたことは計算外だったでしょう。
本当にアンにとってショックな出来事でした。
しかし、これでアンは貴瑚を二度に渡って救ったことになりました。
虐待された少年と出会った貴瑚は?
その後貴瑚は田舎に一人で引っ越してきて、ひょんなことから虐待にあっていた少年に出合います。
最初は引き受けることに躊躇(ちゅうちょ)していた貴瑚は、アンを亡くしたことを契機に最終的に自分で育てることを決心します。
この少年は言葉がしゃべれない、というより言葉を教えられていないまま育ってしまい、また過酷な家庭環境から心を閉ざしていました。
私はこの少年も貴瑚にとって52ヘルツのクジラであり、少年は貴瑚にとって昔の自分であることを重ね合わせていたのではないかと思っています。
そして貴瑚は、同じように52ヘルツのくじらを感じた少年を救うことで、アンを救えなかったことに対しての償いをしようとしたのではないかと思っています。
少年は貴瑚によってかけがえのない人になりました。
まとめ
今回は「52ヘルツのクジラたち」を紹介しました。
トランスジェンダーの複雑な恋心を見事な描写で表現されていました。
性的マイノリティーの方々にも心にささるドラマではないでしょうか。
もちろんそれ以外の方々でも十分楽しめる内容だと思われます。
悲しい出来事もありましたが、最後は人生において前向きになるような終わり方なのですっきりすること間違いないです。
今日はここまでです。ではまた。


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