山崎豊子「不毛地帯」モデルになった商社や人物の紹介と低視聴率だった理由を解説

ヒューマンドラマ

これは山崎豊子原作であり、沈まぬ太陽、華麗なる一族、白い巨塔と並んで有名ですね。

1976年に仲代達也さん主演した方もいい作品でしたが、2009年にフジテレビで放映された、唐沢寿明さん主演ドラマの方が私は印象が深いです。

モデルになった人物や会社を紹介

不毛地帯の近畿商事に関しては、伊藤忠商事がモデルと言われています。

そしてその会長だった瀬島龍三さんが壱岐正のモデルと言われています。

この人は正に元陸軍参謀本部出身であり、シベリア抑留から帰国して伊藤忠商事に入社しましたが、あっという間に出世街道にのり、会長まで上り詰めています。

そして壱岐正のライバルだった東京商事の鮫島辰三におきましては、日商岩井の海部八郎さんとか富士重工業の田中勇さんあたりがモデルと言われています。

また近畿商事社長の大門一三は、伊藤忠商事の越後正一さんと言われています。

しかし、越後さんは当時二次防の航空機部門の責任者でもあったので、副社長の里井達也のモデルではないかとも言われています。

そのほか数多くの人がモデルになっているようです。

原作の山崎豊子は持ち前の高い取材力で、そのモデルを中心として物語を作成しています。

しかし、このドラマはあくまでもフィクションとして紹介しています。

傑作なのに低視聴率だった理由

このドラマがおもしろい理由は、企業同士の極限までに命をかけた熱い戦いです。

戦争上がりの軍人の壱岐正(唐沢寿明)が、商社に入社し、そこでライバル社との白熱な戦いを繰り広げるヒューマンドラマです。

テレビでの放映時は視聴率はあまり芳しくなかったようですが、理由としては最初はシベリア抑留の話から帰国後、近畿商事に入社してライバルとの激しい戦いを繰り広げるさまは、中年以降の男性にはささると思いますが、女性には少し受け入れにくいようなストーリーに映ったからかもしれません。

ナレーションもかなり昭和的な堅苦しい声なので、若い女性からは敬遠されがちだったようです。

不毛地帯が面白い理由は?

それでも私は、山崎豊子の原作の中では、「沈まぬ太陽」、「白い巨塔」、「華麗なる一族」と並んでとても傑作だったと思っています。

先ほども述べた通り、これは商社としてのライバル社との戦いを描いたストーリーですが、近畿商事に入社した壱岐正は、東京商事の鮫島と仕事のプロジェクトが重なるたびに、お互いにしのぎを削るような激しい戦いを繰り広げます。

例えば最初の二次防の戦い、つまり日本の防衛のための戦闘機を購入する際、近畿商事の推すラッキードか東京商事の推す戦闘機とで入札の競争になったところ、その入札価格をめぐって、防衛省から不正に東京商事の価格を入手し、最終的に近畿商事が入札しました。

しかし、価格の入手先が、壱岐の親友の川俣だったことがわかり、川俣は機密漏洩の責任をとり、防衛省を追い出されて自死してしまいました。

この熾烈な入札競争は、近畿商事が勝ったとはいえ、親友の命まで奪ってしまう熾烈なものでした。

私は、今現在、会社がこんなことをすれば、当然不正で警察に捕まることは解っていますし、非難があるかもしれませんが、戦後当時は高度経済成長につられて、勝つためならなんでもありの風潮であったので、命をかけたこの戦いに感銘を受けました。

私は、日本が世界でも有数な経済大国になったのも、このように命がけで仕事を成し遂げた人たちの成果の賜物ではないかと思っているからです。

また壱岐の仕事はこれだけにとどまりません。

50歳で入社して、わずか7年で部長に昇格します。

私は昔サラリーマン時代にこのドラマを観て、やればできるんだなと熱いものがこみあげてきたのを覚えています。

私は今の若いサラリーマンの姿を見て、確かに終身雇用という概念は薄れていますので、自分に合わなければ辞めるという考えが、普通に定着していると思われます。

しかし私のように古い世代は、たとえ自分にその仕事が合わないと思っていても、我慢して継続し、自分の壁を突破した時に大きな成長を感じることができると思っていますし、現に私がそうでした。

入社して3年までは仕事を覚えることに必死で、休むことなど考えていませんでした。

今の若い世代では、仕事で出世することより、ライフプランを充実させたい意向が強いようです。

本当にそれは時代を反映していることなので、私は否定はしません。

しかし、今日本が現在でも世界でもトップクラスの経済大国であり続けているのは、私の父親の世代、すなわち団塊の世代の受験戦争といわれた厳しい競争を勝ち抜き、また企業でも世界を相手に苦労した末勝ち抜いてきたからこそ、今の日本があるといっても過言ではないと思っています。

そこにはどれだけ踏みつぶされても負けない泥臭い精神力の強さがあったからだと思っています。

そう思うと私は、今の日本のこの状況が続く場合、これから先もずっと経済大国でいられるかとても心配になります。

若いサラリーマンに見てほしいドラマ

部長になった壱岐のその後は、相変わらず東京商事の鮫島と激しいバトルを繰り広げます。

そして中東戦争での先物取引、日本の自動車企業と外資との提携、果てはイランでの石油開発まで手掛けて、副社長まで上り詰めます。

この石油開発に至っては、東京商事などの他社との入札の争いから、莫大な経費が掛かることによる自社の里井副社長らとの反対陣営との闘いを繰り広げながら、日本へ石油をもたらすために泥沼の戦いをします。

社内の会議室では、里井から「かつて戦争で得ようとした石油を今度は会社で戦争を始める気か!」とはげしく罵倒します。

しかし壱岐は「かつて戦争で得ようとした石油を、日本のために平和な形で得ようとしているのです!」と強く反論しました。

そこにいた壱岐の日本を想う熱い心は、役員たちの胸を打ち入札することを決定しました。

私はこの言葉に、サラリーマン人生をかけてまで将来の日本のために尽力した壱岐にたいして、深い感銘を受けまし、またこの言葉が、団塊の世代から日本を支えてきたサラリーマンの象徴に思えてなりません。。

私はこのドラマを若いサラリーマンに見てほしいと思う理由は、働くということは本当に大変なことなんだよということです。

昔は今のようなコンプライアンスの概念はなかったため、パワハラがあたりまえの時代でした。

私も新入社員で入社したのは製薬会社でしたが、毎日上司から罵倒されていましたし、自宅に帰るのも毎日深夜になる状況で、残業も当り前の時代でした。

私は決してこの時代を良しとしているわけではなく、こういう時代を経て日本の企業は強くなったということは紛れもなく事実として存在しているということです。

実は私は、仕事で苦しい時にこの「不毛地帯」を見て頑張ろうと思ってる、つまり人生のバイブルになっています。

このドラマは、今の日本が忘れていた何かを持っていると思っていますし、特に若いサラリーマンの方には観ることによって何かを掴んでほしいと思っています。

まとめ

今回は山崎豊子の傑作である「不毛地帯」を紹介しました。

若いサラリーマンの方にお勧めしたいといいましたが、それ以外の方でも楽しめるドラマです。

是非、近畿商事の壱岐と東京商事の鮫島によるはげしい攻防戦をご堪能ください。

今回は以上です。それではまた。

 

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