「完全無罪」冤罪は本当に無罪か? 裁判における本当の勝利とは?

ヒューマンドラマ

これは21年前の少女誘拐暴行殺人事件の裁判で、有罪判決になり21年服役した末、再審が認められ逆転無罪になったストーリーですが、この物語はそれで終わりではなく、その後も冤罪と認められた釈放された平山聡史(北村有起哉)の不審な行動や言動、そして当時の事件の調査をした刑事有森義男(奥田瑛二)今井琢也(音尾琢真)の強引な取り調べの批判されますが、刑事たちはそれでもなお犯人は平山だと確信しています。

このドラマはただ単に裁判の勝ち負けだけではなく、裁判の判決によって、その後の人生において大きく影響を及ぼした人々を、リアリティを持ってするどく描写した物語になっています。

再審の経緯は?

このストーリーは、女性弁護士の松岡千沙(広瀬アリス)が、21年間、2件の少女誘拐暴行殺人事件と1件の少女誘拐事件の犯人として服役している平山聡史(北村有起哉)の再審のための弁護することで始まります。

この松岡本人も、実は21年前の少女誘拐された当事者でありました。

平山の再審請求を受け、松岡弁護士は平山に聞き取りをしますが、平山は当時の警察の強引な取り調べや、うその報告で妹を死に追いやった経緯を話し、松岡は平山が犯人でないことを確信して弁護を引き受けます。

刑事はあろうことか、平山の妹に平山が自供していないにもかかわらず、自供したと嘘の報告をしたため、妹を自殺に追い込んでしまいました。

それを聞いた平山は心神喪失状態になり、やってもいない事件の供述をしてしまったとのことでした。

松岡は当時の担当した刑事であった有森と今井は、互いに裁判所に出廷し、当時の取り調べ状況を供述しました。

有森は捜査の間違いはなかったと供述しましたが、今井は松岡の鋭い指摘に対し、ついに捜査や取り調べの捏造ややりすぎがあったことを自供します。

それによって、21年ぶりに再審が決定し、裁判で逆転無罪になりました。

本来ならこれで良かったという話になるのですが、この話はそんな単純ではありません。

逆転無罪その後の影響は?

無罪になり、釈放された平山ですが喜んだ様子はありません。

そして、なぜかふさぎ込むような態度に、松岡は不信感をもちます。

そして平山の去り際に松岡に対して「ありがとう、こんな犯人を無罪にしてくれて」と衝撃的な告白をされます。

そしてこの裁判を機に、人生に大きく左右される人々がいました。

まず、平井ですが無罪になったので、あちこちの講演で引っ張りだこになります。

そして裁判所から9000万円が振り込まれます。

しかしいくら無罪となったとはいえ、いいことばかりではありませんでした。

手紙や講演でも、「殺人者を野に放った」と誹謗中傷を受けることもあり、世間では完全に疑いが晴れたとはいいきれない状況でした。

一方松岡弁護士は、冤罪の立役者ということでもあり、世間からもちやほやされます。

また告発をした今井も、ヒーロー扱いでメディアに引っ張りだこになりました。

逆にもう一人の刑事の有森は、違法捜査と世間からバッシングを受け、窓ガラスを割られたり、落書きをされたりしました。

犯人を捕まえるとその刑事は英雄扱いですが、それが冤罪となると全く逆の扱いになるので、世間は本当に怖いなと感じます。

松岡弁護士は平井に不信感を持っていますが、有森刑事もまだ平井が犯人だと確信していました。

松岡は平井になぜ、「こんな犯人を無罪にしてくれてありがとう」と言ったのか本人に尋ねます。

それは、平井自身、犯人として21年間も刑務所に入れられていたこと、そして妹を殺されたことで自分の人生が終わったと悟っていたことからそのような表現をしたとのことでした。

こういったやりとりからしても、冤罪者というものは複雑な心境が絡むことがよく解ります。

たしかに犯罪者というレッテルから、無罪になり自由になったのですが、20年以上の刑務所暮らしで、取り返しのつかない日々を送ったことは、自分の人生をつぶされたようなものですからね。

この言葉も、世間に対しての皮肉だっということです。

連続少女誘拐暴行殺人事件の真犯人は?

そのそもこの3件の少女誘拐事件で、平山が逮捕につながったのは、川田清(五頭岳夫)の目撃証言でした。

平山は釈放されてからお祝いの手紙や、講演が相次ぎましたが、川田から会いたいと手紙が送られてきました。

平山は川田に会いに行きましたが、もうすでに高齢で寝たきりでした。

そこで川田は平山に「あの誘拐事件は自分がやった。すまなかった」という衝撃的な告白でした。

その状況を平山は携帯で録画して、最後有森や松岡にも見せました。

これで事件の真実が明らかになったのですが、冤罪事件に関する本当に深い物語でした。

死刑判決が出た冤罪事件の例は?

ここでは実際にあった冤罪事件を挙げていきます。

免田事件

1948年の熊本で一家4人が殺傷された事件で、免田栄さんが逮捕されました。

しかしこの事件は、別件での逮捕にもかかわらず、警察の勝手な見込み捜査、取り調べでの暴行や自白の強要があったようです。

そしてアリバイがあったにもかかわらず全て無視し有罪判決にされました。

結局再審ではそのアリバイが認められ無罪を勝ち取りますが、1983年のことです。

冤罪確定まで35年の月日がたちました。

そして警察は重要証拠であるマフラーなどの返還の請求を紛失したとのことで、拒否しています。

どこまでも杜撰な捜査のようです。

隅田川事件

1950年に香川県で、強盗殺人事件がおこりました。

犯人とされたのが谷口繁義さんであり、これも別件逮捕だったにもかかわらず、この殺人事件もこの人の素行から犯人と決めつけ逮捕しています。

これも無罪を勝ち取るまで1981年なりましたんで、31年間かかっています。

袴田事件

この事件は、一番最近になって冤罪になりましたので、記憶に新しいと思います。

これは1966年に静岡県で会社宅が全焼し、そこから一家4人刃物で惨殺された遺体が発見されました。

警察はその工場の従業員である袴田さんを逮捕し、厳しい取り調べで自白に追い込みました。

そして証拠の血痕がついた衣類も、不自然な点が多く、DNA鑑定した結果、袴田さんだけでなく、被害者からもDNAが検出されませんでした。

そして建物への新入も警察はでっちあげの実験をしていていたことも明るみになります。

こうした経緯も踏まえ、再審の結果2024年に無罪判決になりました。

その間なんと58年、戦後で最長年月の冤罪事件ですね。

テレビで袴田さんの安堵の表情やご家族の喜びの顔が、今でも印象に残りました。

まとめ

今回は「完全無罪」を紹介しました。

このドラマは裁判での冤罪における人間模様を、とてもリアルに表現されていてとても見ごたえがありました。

全部で5話完結なので、一気見するのもおすすめです。

今日はここまでです。ではまた。

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