大罪シリーズ4話、5話では介護業界の闇についての話になります。
ここでは特定の老人に、違法に遺産相続の遺言書を施設に寄付するように作成し、巨額の利益を得ようとしています。
そして、内部では虐待が横行していています。
今回は九条と烏丸は、この悪徳な介護施設を運営する社長の菅原遼馬とそれを支える元恩師の山城弁護士と対決することとなります。
介護施設側が老人に遺言書を書かすのが無理な理由
まず、私自身介護施設で働いています。
そしてケアマネージャーやファナンシャルプランナー(AFP)の資格を持っています。
しかし、法律専門家ではないのであくまでも私的な観点から述べていきたいと思います。
その観点から話をすると、介護施設の人間が認知症を患っている利用者に、家族や後見人の承諾なしで勝手に遺言書を作成させることは現実的には難しいのではないかと思います。
入居者が遺言書を書いている姿を施設側が映像にしていますが、そもそも施設はその入居者が遺言書を書くなら、事前に家族への周知は必要と思われます。
施設の人間が誰も知らないうちに利用者が書いてしまったならともかく、施設側が録画までしているので、熟知しているのは間違いはありません。
それならば、本当に本人が遺書を書きたいと施設側の人間に希望しているならば、施設から家族に報告をしなければなりませんし、このドラマでは遺言書を作成した事実は家族自体全く知らないという設定でした。
認知症を患っている人は、正常な判断の程度により後見人が必要となる場合があります。
後見人が選出された場合はその人の判断に委ねます。
後見人は一般的には家族の誰かが選任されますが、もし家族がいない場合、家庭裁判所の判断で弁護士等適切な人を選出されます。
そのため、介護施設の人間が勝手に遺言状を作成させることは物理的にもありえません。
ましてやこの入居者は高度な認知障害をわずらっているにもかかわらず、遺言状の作成を強制され、ビデオまで撮られるということは完全に犯罪です。
施設側が本人の希望で作成したと言っても全く正当性を主張できることはありません。
本人が認知症ならば、必ず家族あるいは後見人の同意は必要なので、施設がその同意なく物事を進めること自体、絶対にゆるされません。
それを踏まえたうえで、この話を紹介をしてきたいと思います。
悪徳介護施設の横暴との対決(ネタバレ)
ある日、家守華江(渡辺真起子)から、九条への依頼で、「介護施設に騙された。遺産を全部返してほしい」と訴えにきました。
華江の父親は4億円の資産をもっていて、その全てを施設に寄付すると遺言状に記載されたようでした。
私はこの時点で、家族は入居している父親が認知症を患っていることは知っているので、それにもかかわらず遺言書が書かれているというのはまず違法だということを、この家族と九条も気付かなければならないと思っています。
しかしこのストーリーではそれが解らず、九条は施設と闘おうとしています。
九条の相手は、介護施設の社長の菅原とそれを弁護するかつての恩師だった山城でした。
九条は山城と面談し、違法性を指摘します。
しかし、違法性を指摘するすると言っても、介護施設の人間から無理やり遺言書を書かされたという一点であり、これを覆そうとしていますが、実際にこの老人が認知症を患っていなければその訴えはあり得ると思っています。
実際にこの老人は書いた記憶があるはずだからです。
私のように介護施設で働いている人には解っていることですが、老人が認知症を患っているということは、必ず後見人の許可がいるので、施設がたとえこの老人が勝手に遺言書を書いたといっても合法ではありません。
この漫画の原作者は真鍋昌平さんですが、このあたりの事情はご存じなかったのでしょう。
結局、この施設では虐待は横行して、その動画を記録されていたものを九条側が入手し、マスコミにリークすることで、施設社長の菅原や先輩弁護士の山城にプレッシャーをかけていきます。
この動画を撮っていたのが壬生の部下の久我であり、この施設でスパイとして潜入していました。
世間に虐待の事実を大々的に報道され、状況が不利になった山城は、九条に全額を返すことを約束し、治めようとしました。
九条は了承し、全額返してもらうことで手を打ちました。
まとめ
今回は悪徳介護施設での攻防について紹介しました。
介護施設は、介護保険で賄われており、それは市が運営していますし、またケアマネがついていますので、実際には施設が老人からお金を横領しようとするのは、現実的には難しいと思われます。
特に認知症を患っている人は、その程度によって後見人に管理されるようにシステム化されていますので、財産を守られるようになっています。
一方虐待問題では、以前は介護施設の虐待問題が表面化されてから、各施設で虐待に関する研修を義務付けられ、それでももし虐待事実がある場合は、市への連絡を義務付けられているので、以前よりも虐待への意識は大きく変わってきております。
私の施設でも、一時、テレビで介護士の虐待の報道がされるようになってから、毎月虐待の研修が実施されるようになり、また支援員の虐待を見かけたときは報告義務も徹底するようになりました。
そのように各施設では虐待撲滅のために国を挙げて努力していますので、現在ではさすがにここまで露骨な虐待は減ったのではないかと思っております。
しかし、このストーリーもあくまでもフィクションとして捕らえて、あまり深く考えずに見て楽しまれるのがいいのではないかと思います。
今日はここまでです。ではまた。
九条の大罪シリーズもご覧ください。
九条の大罪シリーズ


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