この物語は、電車の脱線事故で不幸にも亡くなった富久信介さんへの24年越しのラブレターに纏(まつ)わる話と、家族に対しての癌の告知と家族愛という二つの側面の話になっています。
実話に基づいたストーリーです。
富久信介さんの死因は?
2000年3月8日に東京の営団地下鉄日比谷線の目黒駅構内で、カーブで曲がり切れず脱線し対向列車と衝突しました。
死亡者が富久信介さん含む5名で、負傷者は64名出ている痛ましい事故でした。
脱線事故は過去にも何回か起きていたようですが、衝突したことは初めてで、多くの死者や負傷をだしたことで、車体や車線変更などの見直しの大きな転機にもなりました。
この物語はその脱線事故に巻き込まれて命を失った富久信介さんと、毎朝電車で一緒に乗っていた女子高生の小野ナズナとの淡い恋心、そして大人になった寺田ナズナ(綾瀬はるか)とその家族とのがん告知にまつわるリアルな人間模様が描かれています。
ではなぜ死んでから20年以上もたって、ラブレターを書いたのか考察したいと思います。
24年越しのラブレターの考察
寺田ナズナはがんが再発し、転移が見つかり、自分の余命も長くないことを悟ります。
ナズナは富久信介に手紙を書きます。
しかし、ナズナはそれを投函しようとはしません。
しかいその手紙は偶然にも娘の舞(西川愛莉)にみつかり、そのまま投函されてしまいます。
その宛先は、信介の通っていたボクシングジムでした。
ジムの会長は困惑しましたが、その手紙を信介の両親に渡します。
手紙の中身は、ナズナの信介に対する想いを誰かに伝えたかったと記されていました。
ナズナの信介への気持ちは、信介とナズナ以外はだれも知らないことです。
そのため、もしナズナが死んでしまったら、その事実がだれも知らないまま無かったことになってしまいます。
ナズナが手紙を書いた理由は、あの時の信介への気持ちを誰かに知ってもらい、確かな事実として存在していた証を残したかったためと考えています。
その後、ナズナの元に信介の両親からの手紙が送られました。
それには信介はとても無口な人だったようで、そのような事実があったことは知らなかったと綴(つづら)れていました。
そして信介は毎朝、8時過ぎの電車に乗るために慌てて家をでていくこともあり、そんなに急がなくても学校に間に合うのになぜ急がなければならなかったのか、これで理由が解ったとのことでした。
更に両親は、恋愛の経験もなく死んでしまった信介が不憫だと思っていたが、あの時の信介の様子を見て、これは間違いなく信介の初恋だった、手紙をくれてありがとうと締めくくられ、ナズナは涙を流したのでした。
続いてナズナと信介の出会いと別れについて詳しく見ていきたいと思います。
ナズナと信介の出会いと別れ
都内高校に通う小野ナズナは、毎日日比谷線の8:00過ぎの電車の同じ車両に乗車しています。
その理由は、その車両には密かに恋心をもっている男性が乗車しているからでした。
名前はわかりません。
その電車はよく痴漢も出没していて、ナズナにも忍び寄ります。
しかし、その青年が間に割って入り、ナズナを助けます。
しかし二人はそれでも言葉を交わしたことはありません。
互いに意識しながら毎日同じ電車にのっています。
ある日、ナズナが友人とファミレスにいると、その後ろの席に偶然、彼とその友人たちが座ります。
ナズナとその彼は背中越しに座りながらも、互いに存在に気づき意識します。
その彼の友人の会話で、「お前はティラミスというより、でかい塩むすびが好きだもんな」とからかわれているのをナズナは聞いてしまいます。
ナズナは次の朝、早起きして大きな塩むすびを作ります。
しかし作るのに時間がかかりすぎて、彼が乗っている電車に乗り損ねてしまいます。
しかたなく学校までもっていき、自分ででかい塩おむすびを食べることになりました。
そんなナズナを見て友人は唖然としますが、さらに友人からびっくりすることを伝えられます。
先日のレストランでかっこいい人がいたことを急に振られたからです。
そして友人によると、その彼は都内でも1、2を争う進学校に通っていて、ボクシングもやっているという情報まで教えてくれました。
しかし肝心な名前はわかりません。
ここからは信介からの話に転換されます。
信介は高校へ行きながら、ボクシングジムへ通っていました。
信介は頭もいいのですが、運動神経も抜群で、ボクシングセンスを会長に認められているほどでした。
信介が師事しているのが川嶋勝重(菅田将暉)であり、後の世界チャンピオンでした。
そして信介は川嶋のストイックさに憧れ、いつか世界チャンピオンになる人はああいう人なんだと確信していました。
ボクシングの才能がある信介でしたが、ボクシングの戦術などを夜遅くまで研究していたので、朝うっかり寝坊してしまいました。
信介はいつもの8時過ぎの電車に間に合うように、慌てて家を飛び出していきます。
しかし、ナズナが乗った電車には間一髪間に合いませんでした。
信介はドア越しにナズナを発見し、ナズナはボクシングの刺繍を施したハンカチをドア越しの信介に見せました。
信介は「なぜボクシングやっていることを知っていたんだろう」と驚きましたが、二人はお互いを意識していることをこの時に初めて悟りました。
そして悲劇が起こります。
ナズナが授業を受けている最中、電車の事故の情報を聞かされます。
それは自分が乗った次のでんしゃであり、死者も出ているようでした。
ナズナは家に帰り、ニュースを見ると、死者として彼の写真と富久伸介という文字がでていました。
ナズナはここで初めて彼が富久信介だということを知りました。
ナズナの恋が一瞬で散っていった残酷な瞬間でした。
ボクシングを通しての先輩との絆
亡くなってショックを受けたのはナズナだけではありません。
ボクシングジムに通う先輩の川嶋勝重も悲しみにうちしがれました。
川嶋はジム内では変わり者扱いされていましたが、そんな自分にも信介は慕ってくれていました。
そして川嶋はいつも自分が世界チャンピオンになると言っていましたが、信介はそんな川嶋にエールを送っていました。
川嶋は自分より才能のある信介を煙たがることもありましたが、自分を慕ってくれているので、とても可愛がっていました。
そんな折、川嶋がバイト中に電車の事故を知り。その中で死者として富久信介の名前を聞いたときは大きなショックを受けました。
川嶋は信介の想いを背負い、世界チャンピオンを目指します。
そして川嶋、タイトルマッチ前日に富久邸に訪れ、両親に明日は信介とタイトルを取りに行きますと言い残しました、
試合当日、信介の両親は河嶋を見ると、トランクスに信介のイニシャルが入っているのに感動し応援しました。
結果は見事に勝ち、世界チャンピオンを奪取しました。
がん告知と家族の覚悟
大人になった小野ナズナは寺田良一(妻夫木聡)と結婚し、寺田ナズナ(綾瀬かるか)になっています。
ナズナは女の子を産み、名前を舞と名付けます。
その舞もすでに13歳になっています。
ナズナは以前に癌を発症していましたが寛解し、5年を経過していました。
娘は母の癌はもう治っていると思っていました。
しかし、癌が再発し転移も見られていましたことは、舞には知らせていません。
舞は良一と二人の時に、舞は医学部に入りたい、東京大学3類を受けると突然言います。
舞は二人から知らされなくても、悟っていたようでした。
良一はナズナに舞に正直に話すように促しますが、笑って話せるまでもう少し待ってほしいと懇願します。
しばらくたって、抗がん剤治療が必要になった時、初めて舞に本当のことを伝えます。
やはり舞は、ナズナがもう助からないという覚悟を決めていました、
そして舞からナズナに医学部へ行くことを打ち明けると、ナズナは立派になった舞に対し、涙を流しました。
まとめ
これは富久信介さんが、電車事故で亡くなった話にまつわる24年後のラブレターで、真実の物語になります。
ニュースでは端的に報道されるので、裏でこんな物語があったことは、映画になって初めて知りました。
そしてこの品川の事故だけでなく、他にも電車事故で多くの人が命を落としたニュースもありました。
こういう事故で亡くなったニュースが流れるたびに、その人の人生やその家族の生活が一変してしまうことを思うと、いたたまれない気持ちになります。
こんな事故が二度と起こらないように切に願います。
今日はここまでです。 ではまた。


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