これは元やくざと目の見えない少年との心の絆を描いた感動作品です。
三浦諒一は元やくざで、今は足を洗い漁師で生計を立てています。
そして幼いころやくざの無謀運転で交通事故に会い、両親が死亡し、自身も両目を失明した少年とのふとした出会いから始まります。
元やくざの三浦と盲目少年幸太との出会い
三浦諒一(舘ひろし)はもともとやくざの若頭であり、将来は組長になる器でした。
しかし三浦はやくざの世界から足を洗い、港の漁師をしてひっそりと生活していました。
一方、盲目の少年の大森幸太は、両親を失った後は、叔母に引き取られましたが、叔母のパートバナーからは執拗に虐待を受けています。
そして見えないことで周りの子供たちからも、からかわれています
生活は叔母の男も定職につかないので、常に極貧でした。
ある日、幸太が学校の帰りに杖を突きながら歩いていると、目の前に障害物があります。
三浦はその障害物をどかして幸太が通れるようにします。
幸太はお礼をいい、通り過ぎようとすると魚のにおいがするので、三浦に「漁師さん?」と確認します。
三浦は「そうだよ」というと、幸太に船に乗りたいか聞いてみました。
幸太は喜んで船に乗ります。
互いに自己紹介しますが、三浦はあえて名前を伏せて、自分のことをおじさんと呼ぶように言いました。
幸太は船に乗りながら、「海をみたい」と漏らしました。
それからは、三浦と幸太で一緒に食事に行ったりして、つながりが深まります。
幸太は、周りからは、やくざとつるんでるとからかわれます。
幸太はおじさんに元やくざだったのか聞いてみます。
三浦は幸太の両親がやくざに殺されたトラウマがあるので、「元警察官だった。やくざの潜入捜査したからやくざだと思われたかもしれない」と嘘をつきました。
ある日、売店で魚の形をした鈴がなるキーホルダーを見つけてペアで買い、更に友情が深まりました。
そして三浦は幸太をつれて病院に行き、目の検査をします。
すると医者からは、後天的なもので手術をすれば治る、しかし金額は500万ほどかかるとのことでした。
三浦が幸太の目を治すために行った決死の覚悟とは?
三浦は元やくざのそれも先代組長に仕える若頭、すなわちナンバー2であり、任侠道を地でいく人物でした。
亡くなった先代からは「誰かを守れる人物になれ」と言われて、それを励みにやくざを辞めて堅気になったのでした。
さて、三浦は500万で目の手術をすれば治ることがわかり、決死の行動にでます。
三浦はやくざの元部下から情報をもらい、ロシアからの麻薬の密輸に便乗し、密輸中のロシア人をナイフで襲い麻薬を奪って、現金に換えました。
そして、幸太の自宅の中に入り込み、男を殴り倒し、母親に「この金は幸太のために使え!」と恫喝します。
恐れた母親は頷き従います。
そして幸太は手術を受けることができ、目が見えるようになりました。
一方、三浦は傷害罪で自首し、そのまま刑務所暮らしになりました。
幸太は結局この時点では、おじさんが誰かわからず、お金もどのように工面したかもわからない状況でした。
ただ、三浦から友人の荒川経由で手紙が送られました。
そこには、漁師として遠くまで行っているから会えない旨がつづられていました。
当然幸太は三浦が逮捕されていることを知りません。
三浦と幸太の再会と別れ
月日は流れ、大森幸大(眞栄田郷敦)は大人になり、刑事になります。
相変わらず三浦には会えませんでしたが、ときどき荒川を経由して手紙のやりとりはしていました。
幸太は、やくざ絡みの事件で手柄を立て続けているので、やくざからは警戒される存在になりました。
幸太が実家に戻った時に、母親からお金をもらったのはやくざからだったと口を滑らせてしまいます。
驚いた幸太は、警察署でやくざ関係の書類に目を通します。
そこで三浦諒太のファイルと写真を見つけ、その中に職業が漁師と記入されていました。
幸太は事実を確認するため、手紙を荒川に渡し車の後を付けます。
たどり着いたのは、古びた小さなアパートでした。
荒川が手紙をその男に渡します。
その男の顔を見た幸太は、三浦諒一であることを確信しました。
幸太が初めておじさんの正体が解った瞬間でした。
幸太はドア越しに、昔ペアで買った魚の形をした鈴がなるキーホルダーを鳴らします。
部屋の中で三浦はその音に気づき、自らもキーホルダーを鳴らしそっとドアを開けます。
そこで初めて幸太と三浦が出会い、お互いの再会に涙します。
喜びも束の間、2代目の組長の石崎(椎名桔平)が麻薬を横取りしたのは三浦だと解り追います。
そして荒川の船の上に、三浦に麻薬の情報をリークしたやくざの遺体が置かれ、三浦自身に危険が迫っていることを感じ取りました。
そしてついに石崎は三浦の居所を知り、指定場所に来なければ大森幸太を襲うと脅しをかけてきました。
三浦は幸太を守るため、単身でアジトに向かいます。
そして三浦と石崎が対峙するや、三浦はやくざ連中から袋叩きされます。
そんな中、幸太が車で建物に突っ込んできます。
お互いの銃撃の末、石崎は死亡します。
そして三浦も銃に当たり瀕死の重傷を負いました。
幸太が三浦を抱きかかえて外へ連れ出します。
最後は三浦が幸太に「警察官になったんだろ」と両手を差し出し、幸太はその手にそっと手錠を掛けました。
三浦が幸太を守った理由は
三浦は先代から人のために生きろと教えられてきました。
しかし、三浦には今まで身内がおらず、守るべきものがありませんでした。
つまり心が空っぽの状態で、何の感動もないまま、ただただ何となく日常を過ごすだけの生活でした。
そこで幸太が現れます。
幸太は目が見えず、杖をつきながら歩いて、またそれを他の子供たちが、いたずらしてからかいます。
家ではまた虐待を受けて必死に耐えています。
そんな幸太を見て、三浦は激しく心を揺さぶられます。
そしてひょんなことから出会った二人ですが、三浦は元やくざということで、誰も相手にしてくれませんでしたが、唯一、三浦の境遇がわかっていない幸太だけは相手をしてくれていました。
三浦はやくざの先代からの教えも相まって、友情からいつしか守るべきものに変わっていったと思われます。
この関係は、血のつながっていない親子の関係になったため、三浦は幸太を命がけで守ったと思います。
最後に三浦に手錠をかけた理由は?
最後に三浦が手を差し出して、手錠をかけるように要求します。
そして幸太は悲しみながらも手錠を掛けました。
これは三浦が、自ら手錠を掛けられることで、自分から卒業するように幸太に促したということだと思います。
三浦は、幸太がこれで自立することができる、と父親としての気持ちだったのではないかと思います。
まとめ
この映画は藤井道人が手掛けてます。
監督の手腕だと思いますがとてもテンポがよく、そしてわかりやすい展開なので観ていて間延びすることはありませんでした。
地味目な題名といっては失礼ですが、中身はとても繊細で感動する良作映画だと思いますので、視聴することをお勧めします。
今日はここまでです。ではまた


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