性転換手術は、今でこそそれなりに認知をされて、世間の理解も得られてきているとはいえ、性同一性障害で手術に踏み切るかどうかまだまだ苦しんでいる人は多いと思います。
性転換手術の実情
というのも、性転換手術は保険適応が認められているものの、実際実施できる病院は日本全国で4軒しかなく、多くの患者が自由診療で受けることが多いようです。
性転換手術の費用は男性から女性への転換で130万~300万ほどかかります。
そして苦しんでいる人は、本人だけでなく、家族や恋人にも影響を及ぼします。
さらに手術する医師においても、以前は優性保護法に抵触し、性転換手術をして有罪になった医師も少なくありません。
そして、当時の性転換を執刀する医師は、命を助ける一般の外科と比べて、オカマの道楽のようなレッテルも貼られ、世間的に良いイメージが無く、バッシングも受けていた人もいたようです。
この映画は、まだ性同一性障害の認知度が低い時代で、はるな愛の壮絶な半生と、家族や医師など、それを取り巻く人々の心の葛藤を描いてる実話になります。
あらすじ(ネタバレ)
学生時代のアイは、男ではありましたが、女性アイドルになりたいと、フリフリなスカートを履くことを好む少年でした。
当時から女っぽいということで、大変ないじめにもあっていました。
そんな折に、アイが橋の上でぼんやりしてると、容姿の派手な女性に目を奪われ、お店まで付いていきます。
そこは有名なオカマバーであり、そのステージを見て、アイは経営者に働きたいと申し出ます。
アイは経営者から、「ここでどんなにがんがっても女性にはなれない、なれるのはニューハーフだ」ということを理解することを条件に入店します。
アイが働き始めたころ、一人の男性を接客します。
それが和田先生(斎藤工)との最初のコンタクトでした。
アイは、和田先生に睾丸の摘出手術を依頼します。
和田先生は、アイの両親の理解が得られることを条件に引き受けます。
その後アイは、父親(千原せいじ)に「自分は女になりたい」と打ち明けます。
父親はフォークで机を指すほど怒りましたが、「後悔するな」と言い残して、震えながらも最終的には理解をしました。
そしてアイは和田先生の執刀で、睾丸摘出手術を受けました。
手術は成功しましたが、和田先生の診療所では、バッシングのビラが貼られるようになりました。
「変態」とか「普通の患者を診ろ」など・・・
更に警察からも時々見回りがくるようにもなりました。
手術後のアイは、女性としての自信を持ち始め、彼氏もできました。
やがてアイは実家を離れ、彼氏と同棲生活を始めます。
二人は愛し合いますが、性的にどうしても越えられない一線があり、また思い悩みます。
アイは再び和田先生のもとに行き、女性にしてほしい、つまり陰茎を取り、膣を作ってほしいと懇願します。
和田先生は思い悩みます。
その理由は、睾丸に比べてはるかに難易度が高く、生死にもかかわってくる恐れがある、と
アイには説明しますが、失敗してそのまま目覚めなくてもいいと手術を懇願します。
それでも先生は簡単にはうなずきません。
この当時はまだ倫理的にも法律的にも性転換手術の理解が低く、オペをすると、免許はく奪あるいは逮捕までありうることを思うと、先生も「これがゆるされるのか?」と心の中の葛藤と闘っていました。
しかしアイの執念で、ついに和田先生も折れて手術することを承諾します。
手術後、アイは彼氏との性的行為もうまくいくようになり、幸せの絶頂でしたが、彼氏がアイを紹介するため、実家まで連れて行きました。
しかし実家からは、アイに子供が産めないから別れるように強要されます。
アイは苦悶しますが、彼氏と別れることを決心します。
別れた後、アイはアイドルになるため上京し、片っ端から芸能事務所へ売り込みます。
しかし当時はニューハーフが成功した事例は無く、なかなかうまくいきません。
そんな折、母親がアイに、会いに来てくれました。
母親は初めてアイの女性の恰好を見ましたが、「以前から気がついていた」と、やさしくアイの性転換したことを認めていました。
一方和田先生は、患者の予約が増え、毎日のように手術に明けくれていました。
しかし、患者の手術中に、不幸にも麻酔によって死亡した事件が発生してしまいました。
そして毎日のように警察に出頭し、心無い尋問を受けます。
「患者のナニをみてお前も興奮してるんだろ」とか「お前もゲイなんだろ」など・・
耐え難い屈辱を受け、先生も憔悴していきます。
先生はアイを思い出し、上京して会いに行きました。
先生はアイに「俺は間違っていたのか」とぽつりと言うと、アイは「間違ってなんかない!」と力強く先生を励まします。
先生はその言葉を胸に帰りますが、結局そのまま麻酔で自殺してしまいます。
アイは悲しみに暮れますが、この悲しみをばねに”あやや”のものまねでブレイクし、タイのニューハーフのコンテストで世界一になるなど成功を収めました。
まとめ
これは、はるな愛と実在する医師との壮絶な半生を描いた実話です。
このような性的マノリティーで悩んでいる方は、少なくないようです。
近年になって漸く改善されつつありますが、これはやはり、はるな愛や和田先生のようなかたがたが、困難に立ち向かう勇気があったならばこそだと思います。
和田先生のご冥福と、はるな愛さんの今後のご活躍を祈念して終わりたいと思います。
今日はここまでです。 ではまた。

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