「3月のライオン」は2017年に前半、後半両方とも公開されています。
この映画の評価はとてもおもしろく、はっきり賛否両論に分かれています。
興行収入は前半が7.5億円、後半は記録がないとのことですが、おそらく前半、後半合わせて10数億円程度でしょうか。記録では一定の成功と言われています。
それでも酷評コメントも多いということで、なぜここまで評価が大きく二分するのか、その原因を解明していきたいと思います。
原作の「3月のライオン」とは
原作が羽海野チカで、ヤングアニマルで現在も連載されていて、現在18巻まで発売されています。
将棋を通して主人公桐山零が、将棋だけでなく人間として成長していく物語になっています。
その節々にもかなり感動するエピソードが多く、多くのファンを擁しています。
映画の3月のライオン酷評理由
原作で18巻以上ありますが、今回の映画では、前半139分、後半140分で上映されており、話を全部まとめるのは不可能です。
それをあえてやろうとした結果、話のうわっつらをとるような出来になってしまった感があります。
二階堂の存在意義
例えば、親友の二階堂に対しては、映画ではなんで親友なのか全くわからないです。キャラクター的にいつも怒っているイメージですし、ものすごい金持ちだし、何か分からないけど重い持病をもっているみたいで、キャラクター設定がよくわかりにくかったです。原作ではもっと丁寧にキャラクター像は描かれていますが、これでは伝わりにくく、映画ではあえて登場させなくてもよかったのではないかと思います。
宗谷名人の秘密
また零が宗谷名人との最初の対局で、耳がきこえないエピソードが抜けています。かなり衝撃的なシーンでしたが、映画ではさらっと流しているので、感情が置き去りになってしまいました。
ひなたのいじめ
極めつけはひなたのいじめ問題です。突然いじめられているシーンに入ったと思ったら、急に終わったしまったので、原作を観ている人にとっては、かなりがっかりしたのではないかと思われます。
川本家の父親エピソード
また後半には、突然消えた父親が急に戻ってきて一緒に暮らそうと言ってきたのを、零がかなり強い口調で父親を非難したシーンがありました。
が逆に零が川本家族から「私たちのお父さんだよ」、「今日は帰って」と零を咎めて、父親でなく、零を家から出してしまうシーンは、かなりの違和感がありました。
原作の感じでは、零が川本家族と暮らしているうちに、絆が深まり、自分は孤独でないと認識できるほど、成長していきます。
そしてその絆は、父親に対しての戦いでも、川本家族と団結して、ゆるぎないものになっていました。
つまりこの父親のシーンは、この映画での数少ないオリジナルということです。
映画「3月のライオン」を観て、評価を低くされている方々は、原作を観ていた方が多く、原作の良さを消されたしまった印象があり、そこが評価を低くされている原因だと思います。
映画「3月のライオン」の評価の高い人の意見は?
では、評価が高い人はどう認識しているいでしょうか?
ほぼ、原作を観ていない人で、映画ではじめて「3月のライオン」を観た人が、高評価にしていると思われます。
そういう私も、はじめは原作を全く見ずに、この映画を鑑賞しました。
この映画の良さは、ひとえに将棋世界での厳しさ、過酷な試練を生き残る様が、忠実に表現しようとされています。
これを観ることによって、将棋のことを知らない人でも、とてもわかりやすく、引き込まれた方も多くいるのではないでしょうか。
例えば、零が幸田家に引き取られますが、父親が零の才能を認め、奨励会に残したのに対し、義理の姉、香子(有村架純)やその弟は、奨励会を辞めざるをえなくなった。
つまり、若くして将棋の世界から身をひかなければならなくなった無念さや、零への憎悪がとてもうまく表現されていたと思います。
また零はいろいろな障害をうけることに、「俺には将棋しかないんだよ!」という魂の叫びを何度か耳にしますが、将棋を続けるということは、兄弟だけではなく、いろいろな人の夢や生活を犠牲にしした上で成り立っていくという過酷な世界を、見せつけられた感じがします。
纏めると、原作では将棋だけでなく、人間として成長していく過程を、繊細に表現されているのに対し、映画では、中学生でプロになった桐山零が、周りの人々の夢を打ち砕いてでも勝ち進んでいく、心の葛藤をメインに表現されているという、制作のコンセプトの違いがあると思いました。
そういう違いから、原作を見ている人と見てない人で、大きく意見がわかれていると分かれていると思われます。
大友啓二監督とは
この映画「3月のライオン」は大友啓二監督が手掛けております。大友監督といえば、「るろうに剣心」で、3部作の映画を撮った経験があります。
「るろうに剣心」は特に、エピソードを忠実に並べられた感があって、観ましたがあまり印象に残らなかったです。
たしかに、ある程度人気のある漫画なら、最初から作るリスクより、興行収入が見込みやすいとは思いますが・・
主役の神木隆之介は、この「るろうに剣心」の志々雄誠の部下、瀬田宗次郎役で出演していましたが、「3月のライオン」はその演技が評価されての抜擢だと思います。
3月のライオンの撮影場所
3月のライオンでは、撮影場所の設定においては、かなり入念に考えられていると思いました。
東京上野、月島の佃通り界隈で、撮影されています。中央大橋や佃公園は、ひなたがいじめられて泣いていた場所だったり、香子と家庭の話をしたりととても印象的な場所だったと思います。
また川本家は、実際にその場所にあるのではなく、近隣からイメージにあう場所を探したようです。
最後の獅子王戦が行われた場所が、山形県山形市にある、山寺立石寺行啓記念堂らしいですが、映画の中ではかなり壮観でしたね。
一度聖地巡礼もいいなと思いました。
今日はここまでです。ではまた


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